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<基本管理項目>
 管理倉庫への物流委託に関し、その費用の多くを占めるのがこの「基本管理項目」となります。管理項目としては、「基本料(保管料)」「入庫料」「出庫料」「返品料」「改装料」「断裁料」「倉移し料」があり、特にその中で、「基本料」「出庫料」「返品料」「改装料」がより大きなウエイトを占めています。従って、現在の管理料が許容できる範囲であるのか、この4項目の意味/料金体系をしっかり把握し、あらためて現在の管理倉庫との契約内容を確認して見る事をお勧め致します。再考により現行の管理倉庫費用を月額あたり半分まで経費削減を実現した出版社もありました。仮に一ヶ月あたりの経費削減が微々たる金額であったにせよ、まさに年額にすると大変な管理経費の削減となります。たとえ削減効果が20%弱であったにせよ、それだけの利益を出すのに如何程の書籍を売らなければならないのかと考えたとき、削れるものは徹底的に削る模索を行って見ては如何でしょうか。

基本料 (または保管料)
  
 基本的な書籍(総称)保管に掛かる費用として設定されています。
 月末在庫の数量を書籍、雑誌、ニュメデイア(NM)等、またそれぞれ版型等を考慮し一冊あたりの保管単価を決めています。出版社の希望により月初在庫にて積算する場合もあります。
 古くは、書籍本体価格を基準にそれぞれの書籍毎に保管料を設定(本体価格x3/1000円等)していた時代もありました。また、全ての書籍保管に何坪使用したとの坪貸しと言う時代もありました。本体価格による計算は出版社側から見ると1000円の本を1冊一か月間預けると3円と言う事になり近年相場から比較した時、大変な割高となります。また坪貸しは倉庫側から正確な在庫管理、整理整頓の側面から次第に拒否されるようになり、ともに近年はこの料金体系は殆ど無くなりました。
 さて、この基本料の近年の料金体系は、次のような価格帯にて各倉庫間にて招致合戦が行なわれているようです。
一般的には、書籍、雑誌、文庫、ニューメディアのカテゴリーにて料金設定を行なっている倉庫が殆どとなっております。(版型/重さ等による区別は、特別サイズを除き、徐々に少なくなっているようです。)

  (近年相場)
    書籍 ⇒ 0.8円 ~ 1.5円 (冊/月)
    雑誌 ⇒ 0.5円 ~ 1.0円 (冊/月) : 版型が大きいながらも薄いと言う面から、多くの倉庫は書籍より割安設定しています。
    文庫 ⇒ 0.5円 ~ 0.8円 (冊/月) : 書籍より薄く、文庫サイズにて書籍より場所を取らない面から割安設定となっています。
    NM  ⇒ 3.0円 ~ 5.0円 (冊/月) : CD内包等の箱型形態が多く、積重ね保管の限度等により割高設定となっています。

 製本在庫(出荷前の新本、及び改装済本)、返本在庫の区分けは、保管用の絶対スペースは変わらないとの判断から殆どの倉庫は同じ料金体系のようです。しかしながら、製本パレットの重ね段数と、返本パレットの重ね段数はおのずと返本パレットの方が高くなり、保管冊数に締めるスペースが少なくて済む(山積み管理可能)と言う点から、総在庫の製本/返本比率を計算し、返本の保管割合が極端に多い場合、妥当な料金体系か再検討して見るのも良いかも知れません。

物品保険:
 保管中の書籍(付き物も含み)の火災、盗難、水濡れ、誤り断裁、紛失等の保険をどのように掛けているのか、その様な発生時に損失補償をどのようにしているのかも明確にしておく必要があります。特に新刊等は売り損じと言う問題も生じてまいります。
    

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入庫料 
  
 入庫料は、新刊発行時に製本所から倉庫取置き分(追加注文等用)として配本されて来た場合、また出版社その他の場所にて保管されていた良本が管理倉庫に送られてきた時に、その入庫(受入れ)作業に掛かる費用として設定されています。
 基本的な倉庫の作業としては、運送業者からの荷受けから始まり、配送伝票と実冊数等の整合性の確認、そして製本在庫としての在庫管理システム(倉庫内専用管理システム)への登録(入庫冊数)、倉庫内の所定の保管場所への移動までが入庫作業となります。また、新刊受入時は、事前登録(商品マスター登録としての作業も入庫料に含まれます)された在庫管理システム上の書籍マスターと実際の本の奥付との照合確認も行なわれます。この一連の作業にかかる費用が、入庫料として設定されています。

  (近年相場)
    書籍、雑誌、文庫、NM ⇒ 0.8円 ~ 2.0円 (冊)

 書籍・雑誌等により作業内容が変わる事がほとんど無く、入庫料としては書籍、雑誌等に関係無く同一料金が一般的です。

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出庫料 
  
 出庫料は、取次店等からの注文受け(データ受注も確認しておく必要があります)、注文短冊の仕分け、注文情報のコンピュータ入力(データ受注はシステムへの取込み作業)、該当書籍のピッキング、短冊挿し(ネット注文が多くなり減少しつつあります)、ピッキングリストの結果確認、納品伝票作成、取次毎の出荷荷姿作り、そして取次搬入(運賃含む)までにかかる費用として設定されています。
 管理倉庫によっては、倉庫管理費用として取次店への搬入運賃として別途、出庫運賃(後述)を請求している場合があり、出庫料に運賃が含まれているのか、含まれていないのか、しっかりと確認しておいたほうが良いと思われます。(一見、出庫料が安い、実は運賃が含まれていない等が無いように!)

(近年相場):取次搬入運賃込み
   書籍 ⇒ 13.0円 ~ 16.0円 (冊)
   雑誌 ⇒ 10.0円 ~ 12.0円 (冊)
   文庫 ⇒  5.0円 ~  8.0円 (冊)
   NM  ⇒ 15.0円 ~ 20.0円 (冊)

 出庫料の関連として、取次店への出荷に要する日数も合わせて確認しておく必要があります。一般的に注文受日(管理倉庫)の翌々日に取次搬入が標準(中一日搬入)と言って良いでしょう。最近は、午前中に管理倉庫に出荷指示があった注文に限り、当日ピッキング/荷姿作り、そして翌日取次搬入と言うサービスを行っている管理倉庫も多くなってまいりました。

 新刊作成部数が減少している昨今、品切れ状態の出荷保留の処理を、改装タイミングを含めどのようにしているのかも確認しておく必要があります。書店からの注文を一度品切れ対応した場合、もう二度とその書店から同じ注文が入って来る事は無くなると言っても過言ではありません。

*)書店注文:
 書店からの電話注文を受けた際、「搬入はいつになりますか?」と良く(必ず)聞かれます。管理倉庫の標準出荷サイトを確認しておき、「いついつ取次搬入になります」と明確にお伝えできるようにしておかなければなりません。(勿論在庫がある場合)

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返品料 
  
 返品入庫料とも言います。返品受取の方法として取次が配送してくる場合、管理倉庫が受取に行く場合(納品ついでに受取って来る場合:神田村の小取次が多い)のいずれかがあります。

料金の基となる、以下のような作業を行います。

 ・出版社に代わり、取次からの返品伝票に対して受領印を押します。
(返品受取りの物流としての流れから、返品を受け取りに行った運送担当者が取次店の窓口にて受領印を押下してしまう場合もあり、以下の確認は、それぞれの委託倉庫に運ばれた後と言う事になります。また、取次からの管理倉庫へのお届け返品については、倉庫受入れ時の時間的な都合から簡易チェックを行い、取り合えず受領した上で、他社の混じり本、類似書名誤り等のチェックは後日行うと言う事になります。)

 ・伝票の内容が正しいかを確認します。具体的には伝票の明細に他社本が混じっていないか、書名、冊数、価格が合っているか、正味が合っているか等を確認します。
(管理倉庫では、基本的に取引条件である注文返品なのか、委託返品なのか、常備返品なのか等の条件の整合性確認はしないのが一般的です。)

 ・返品伝票の内容に沿って、返品伝票入力(近年データ伝票が多くなっており、その場合はデータ取込み)を行い、返品在庫の各書籍毎の理論値(コンピューター上の値)を増やします。
(最終的に取次よりの返品データと、倉庫にての実物検品の検品データとの突合せ照合を行ないます。)

 ・一枚の伝票には、複数行の書名が表記されており、最終的に管理倉庫内の返品仕分け場に持込まれ、実際の書籍の書名毎の仕分け作業が行われます。

 ・仕分け後、同じ書名毎のパッレトに積まれて行き、ある程度のパレットの大きさになった時点(業界では「できパレ」とも言います)にてラップがパレット全体に巻かれ、返品専用のパッレト倉庫にて移され、改装待ちか、断裁待ちの状態にて永続保管(毎月、基本料が請求されます)されます。

 このような、一連の作業に対して、一冊いくらと言った、返品料が設定されています。

  (近年相場)
    書籍 ⇒ 4.0円 ~ 5.0円 (冊/月)
    雑誌 ⇒ 2.0円 ~ 3.0円 (冊/月) : 雑誌の現物は現地古紙化される場合が多く、古紙伝票の入力処理のみとなります。
    文庫 ⇒ 3.0円 ~ 4.0円 (冊/月) : 
     NM ⇒ 5.0円 ~ 6.0円 (冊/月) : CD内包、販促物内包等の箱型形態が多く、商品毎に設定されている場合があります。

返品の形態変化:
 近年、大手取次店(トーハン、日販、大阪屋、栗田、大洋社等)からの返品情報は、手書き伝票を除きコンピュータ出力による返品伝票と合わせ、その情報がデータとして配信されるようになってきており管理倉庫としては、古くからの返品伝票入力から、データ取込みによる返品情報入手へと変化してきています。
 また、返品荷姿として10冊単位等の紐結束の時代から、コンビテナー、オリコンを使用した、無結束返品の時代へと変わってきました。その結果として紐結束による改装不可(特にハードカバーの上製本)と言った、汚損率が極めてゼロになってきました。ここで、せっかく無結束返本として帰ってきた返本を仕分け後、再び結束してしまうと言う管理倉庫もありますので、しっかり確認しておく必要があります。再結束することにより、最上段、最下段の2冊は、紐後によりほぼ改装不可となります。

文庫返品:
 書籍より薄く、文庫サイズにて書籍より場所を取らず返品処理が簡単に見えますが、文庫は定価別の返品が基本であることから、多くは書名別仕分け作業が伴い、あわせて在庫管理の為、あらためて書名別返品伝票を起表する作業も行われます。


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改装料 
  
 改装料は、取次店より返品されてきた書籍、文庫等を製本(良本)に甦させる改装作業に掛かる費用として設定されています。
 改装作業とは、帯/カバー剥がしから始まり、スリップ抜き、三方研磨、新しいスリップ挿入、新しいカバー/帯がけ、最後に10冊~15冊単位にクラフト巻き(書籍を10cm~20cm幅の紙にてバンド上に梱包する事)を行い、まさに製本所から新刊搬入された状態に甦させる事となります。
 特に、ハードカバー(上製本)は、三方研磨ができませんから、砂消しや消しゴムによる汚れ落としとなり、その際の砂消し/消しゴムの一部が紙の間に残っていると言う事があり管理倉庫に対して、消しゴム研磨の注意を徹底しておいた方がよいでしょう。また、並製本についても、研磨の過度な削りすぎ、カバーの背部分の中央配置(背に部分がずれている)に注意を促しておいたほうがよいでしょう。結構このような事が見受けられます(実際、書店にて「あっこれ、改装品!」すぐ気が付くものもあります。
改装品については、出版社の眼に触れる事無く取次店へ出荷されていきます、それ故に時折、倉庫に足を運び実際に自分の眼にて確認して見る事をお勧め致します。

 さて、管理倉庫によっては、トータルな改装料では無く、よりキメ細かくやらなくて良い部分を無くし、それぞれの作業単位(後述)に費用を設定しているところもあ ります。
 新刊刷り冊数が少部数になりつつある昨今、取次からの返品に対して、即改装を期待する部分も多く、いかに多品種/小ロットの改装を速やかに行なってもらえるかも、管理倉庫選択の重要なファクターにもなっています。確認しておく必要があります。

 (近年相場):手改装
    書籍 ⇒ 15.0円 ~ 19.0円 (冊)
    文庫 ⇒ 10.0円 ~ 13.0円 (冊)

 その他、手改装料金、トライオート(機械による自動改装)改装料金に区別を付けているのか、また、改装ロットが多い場合(一度に300冊以上等)に、料金割引設定がされているのか等も確認しておくと良いかもしれません。

こんな事:
 製本在庫(良本)が無くなり、改装したにも関わらず、在庫システムに改装入力を怠った結果として、出庫がなされていた場合、製本在庫の表示が在庫表上、マイナス表示がされている場合があります。また、出庫状況を良く考えず、過剰改装が行われ、思いもよらない改装料が請求時計上されてくる場合があり、注意しておく必要があります。

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断裁料 
  
 断裁料は、断裁処分するためにかかる費用として設定されています。
 期末在庫調整や適正在庫調整によって生じた書籍廃棄にかかる費用であり、断裁料には、断裁業者(古紙業者)に引き渡すまでの断裁出庫料、そして実際の断裁にて古紙化にかかる費用(古紙の市況により有料、無料)があります。

 断裁料無料:
 管理倉庫が、古紙化事業も兼業している場合、この断裁料は基本的に無料サービス対応となっている場合が多く、倉庫選定の大きな要素の一つにもなります。
また、上製(ハードカバー付)/CD付等(ニューメディア商品)は、剥がし・抜き作業等がともない、若干料金が高い場合があります。

 (近年相場)
    書籍 ⇒ 0.5円前後 (冊)
    文庫 ⇒ 0.3円前後 (冊)

断裁指示:
 管理倉庫に対して断裁指示を行う場合、2種類の指示方法があります。
 ①各書籍毎に、これだけ残し、あとは全て断裁。(”残し断裁指示”と言います)
 ②各書籍毎に、断裁冊数を指示する。(”切り断裁指示”と言います)

裏話)
 管理倉庫にとって、切り断裁指示が大変助かる要素を持っています。何故か?、基本的に断裁前に棚卸を行う事が多く、そこにおいて、コンピュータ上の理論値と、実際の棚卸数に差が生じた時、まさにこの切り断裁数が救いとなり、実棚卸数が理論値より少なかった場合、出版社に対し実際は断裁せず、断裁した事による在庫数の帳尻合わせが可能となります。
それまでは、実際少なかった部分の基本在庫料も長期に渡り請求していたことになり、棚卸誤差の問題と合わせ、管理倉庫として出版社から怒られる難を免れる事になります。

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倉移し料
  
 倉移し料は、管理倉庫から、取次/直販以外等の注文目的外に搬出する場合の出庫料として設定されています。
 出版社や、出版社所有の管理倉庫への搬出、現管理倉庫から新管理倉庫への物流委託移行(倉替え)、通販/即売会社の倉庫への取り置き在庫搬出、フェア会場への搬出等にかかる出庫料となります。(基本的に、運賃は含まれていません)
 一般的には、少ない伝票入力作業(まとめ打ち)、短冊挿しが必要無い、一括ピッキングができる等、通常出庫とは比較にならない作業で済み、ほぼ出庫料の1/4程度の価格が設定されています。
 まさに、前述の”出庫料”と異なり、一伝票あたりの相対的な出庫冊数が多く(極端には、一伝票一冊と言うような事はありえない)、さらに、まとめ搬出の要素も加わり、倉庫作業そのものは、極めて容易であることから、先の”出庫料”と比べ、はるかに安い料金設定がされています。

 上記のような移送先にも関わらず、全て同じ通常出庫料が適用されていないか、現在の管理倉庫との契約の中でこの”倉移し料”がどのような料金設定になっているか、管理倉庫に一度確認される事をお奨め致します。

 例えば、ある事情により、新しい管理倉庫に移ることになった時、この”倉移し料”が曖昧なままになっていた事により、通常の出庫料が適用され、今の管理倉庫から出て行く場合、法外な料金を出庫料として請求されることになります。また、新たな新管理倉庫と契約を結ぶ場合も同様に、他の請求項目と同じように料金確認(見積もり時に確認)をしておくことをお勧め致します。10万冊の在庫を移動する場合、そこには100万円以上の差が出てきます。想定外の移動経費に出て行くにも出て行けないと言う事態になりかねないのです。その場合、通常の取次出庫と、倉移し出庫との違いを作業量の側面から管理倉庫は十分に熟知しており、良心的な管理倉庫は下記のような料金体系を倉移し料として適用しています。

 (近年相場)
    書籍 ⇒ 2.0円~3.0円前後 (冊)
    文庫 ⇒ 1.0円~2.0円前後 (冊)
    雑誌 ⇒ 1.0円~2.0円前後 (冊)
    NM  ⇒ 2.0円~3.0円前後 (冊)

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<改装関連個別作業料>
 管理倉庫は、前述の改装料の他に、出版社の要望に柔軟に対応するため、単品作業毎の料金体系も用意しています。また管理倉庫によっては、トータルな改装料では無く、このようにより細かく設定し個別の作業料の積上げ料金としているところもあります。
また、書籍と比べ文庫はサイズ的に小さい事もあり、総じて割安設定されています。また、個別作業を行なう場合、他の作業も伴う場合、その作業料も加算されます。また、改装個別作業を「特別作業」と名称を位置づけている管理倉庫もあります。

  (改装の作業種別毎の近年相場):書籍例
     ・帯取替え ・・・・・・・・・・・・・・・ 4.0円/冊
     ・帯取りのみ ・・・・・・・・・・・・・   2.0円/冊
     ・帯がけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・  2.5円/冊 
     ・帯がけ(ケース) ・・・・・・・・・・ 2.5円/冊
     ・カバー掛け ・・・・・・・・・・・・・・ 4.0円/冊
     ・カバー取替え   ・・・・・・・・・・・・ 5.0円/冊
     ・カバー選別取替え ・・・・・・・・  5.0円/冊
      ・ケース入れ   ・・・・・・・・・・・・・  3.0円/冊
     ・ケース取替え   ・・・・・・・・・・・  4.0円/冊
     ・スリップ取替え ・・・・・・・・・・・ 3.0円/枚
     ・スリップ挿し ・・・・・・・・・・・・・ 2.0円/枚
     ・投込み ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.0円/枚 (小カタログ、読者はがき等)
     ・三方研磨 ・・・・・・・・・・・・・・・ 6.0円/冊
     ・汚れ落し ・・・・・・・・・・・・・・・  9.0円/冊
     ・選別 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・  8.0円/冊(選別元の返本冊数×8円)視覚的に特に改装しなくても再出荷可能なものを選別
     ・シール貼り  ・・・・・・・・・・・・・ 5.0円/枚~(シール貼りの場所、シールの大きさによる)
     ・シュリンク ・・・・・・・・・・・・・・19.0円/冊~(全面ビニール梱包となり、書籍サイズにより異なります)
     ・ポケット付け(シュリンク用) ・・・・ 3.0円/枚 
     ・クラフト巻き ・・・・・・・・・・・・・  2.0円/冊 (10冊単位のクラフト巻きの場合、2円×10冊⇒20円となる)
     ・冊子はがき抜き   ・・・・・・・・・・ 4.0円/冊( 対象冊数×4円)どこに挿入されているか捜す苦労があるようです)
     ・完全梱包  ・・・・・・・・・・・・・・  30.0円/包(クラフト巻きとは異なり、改装後の製本を10数冊単位にて完全梱包する場合) 
     ・セット組み ・・・・・・・・・・・・・・  7.0円/冊 (常備セット等)

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<特別作業>
 一般的な改装関連作業とは別に、年に一回の棚卸作業、常備出庫、フェア用出庫等の作業料も設定されております。

棚卸料
  
 棚卸は、各年度末に合わせて、コンピュータ上にて管理されている在庫の理論値と、実際の現物在庫の照合を行い誤差を明確にし、決算上の期末資産/繰越資産を確定する作業となります。
 棚卸料は、管理倉庫に保管依頼している在庫の棚卸を出版社に代わり行うその作業料として設定されています。
 多くの出版社はこの棚卸と同時期に適正在庫の調整を行い期末断裁も実施するようです。また、実在庫と理論在庫の誤差精度を常に100%(誤差なし)に維持するため、4半期/半期毎に棚卸を行っている出版社もあります。

 (近年相場)
    料金体系として、「商品点数にて積算」、「在庫冊数にて積算」の2種類があります。

   ①商品点数による請求: 一点につき100円

   ②在庫冊数による請求:
      ・書籍 ⇒ 0.5円~1.0円前後 (冊)
      ・文庫 ⇒ 0.5円前後 (冊)
      ・雑誌 ⇒ 0.5前後 (冊)
      ・NM  ⇒ 1.0前後 (冊)



      一般的に、「商品点数による単価設定」こちらの料金設定が良心的と言えるでしょう。 
      100点の書籍点数の場合、棚卸料1万円で済む事になります。
      一方、在庫冊数による場合、100点10万冊の棚卸在庫の時、安くて5万円~の請求がなされる事となります。

棚卸方法と結果通知:
 管理倉庫では、在庫表に棚番地が付された棚卸表をもとに、2人一組にてその在庫数・商品点数に応じて組数を増やし製本・返本ともに実棚卸を行います。棚卸実施後、棚卸表に記入された実在庫を再度コンピュータ入力(バーコード読み取りの場合は、POS端末からのダウンロード)を行い、棚卸誤差評価表を作成し、誤差調査、原因調査を行い、出版社に対し結果報告を行います。(カーボン式棚札を併用し、棚卸後、写しを全て回収し出版社へ戻してもらう方式を取っているところもあります)

 棚卸には下記のような色々なパターンがあります。
・管理倉庫に全ておまかせ。(出版社として、このパターンは、お薦めできません、年に一度は管理状況も含め確認しておく必要があります)
・管理倉庫と日程調整の上、出版社側の関連部署の社員と管理倉庫の担当者と共同にて棚卸を行う。
・管理倉庫が棚卸を行ったのちに、その棚卸結果データをもとに、出版社の社員が再度現地棚卸行う。
・管理倉庫が棚卸を行ったのち、棚卸結果をもとに出版社の社員が、何点か無作為に抜き打ち棚卸を行う。
 (監査立会いの棚卸検証は、このパターンが多く、管理倉庫にとっては、一番緊張するようです)

棚卸による出荷停止:
 管理倉庫より、出荷及び返品を止めずに棚卸を行う事は、物が動いている中での棚卸となり、より正確な棚卸を実施する為にも、荷動きを停止させて欲しいとの申し出があります。規模により停止期間として半日~3日間を要すると御願いされる場合があります。出版社として出荷停止期間を設ける事は極力避けたいところですが正確な棚卸の為に、配慮してあげる事も必要でしょう。
また出版社の規模により、棚卸時期に合わせ管理倉庫の担当者が出版社を訪問し、綿密な打ち合わせを行い、棚卸要綱を策定し、その要綱に従って棚卸を行っているところもあるようです。
 
常備セット料/セット組料/化粧箱セット
  
 各取次書店向けの年一回の常備セット作成にかかる費用として、セット単位ではなく、常備セットに該当した書籍の総冊数の料金体系が一般的です。Aセット、Bセット、、、、の合計冊数が対象となります。

 (近年相場)
      ・書籍 ⇒ 6.0円~9.0円前後 (冊)

常備出庫の請求期日:
 取次店への常備出庫に際し、管理倉庫にて発行する納品伝票の請求期日欄に1年後の請求期日が明記されることになりますが、この一年後の請求期日と言っても、常備出荷時の常に一年先締日と大きな勘違いをされている場合があります。
 原則、常備請求期日は取次店毎に年一回、いついつと決めらており、その日が請求期日となります。
(例)毎年、7月25日が常備請求期日と定められている場合。(25締日)
   2000年5月10日に常備出庫した場合、その請求期日は正しくは2001年7月25日となります。単純に一年後の2001年5月25日として発行している場合があります。気を付けて確認して見る事も必要です。

裏話)常備精算:
 物流とはちょっと違いますが、取次店との取引条件に、25締め翌月末入金との取り交わしがよくあります。しかしながら、常備精算(延勘精算も似たような)においてはこのような単純な入金約束では履行されないのが常と考えておいたほうが良いでしょう。
常備精算額の単純計算式は、
(一年前に納品した常備品の納品額) - (この一年間を通して返品された常備品の返品額) ⇒ (常備精算額:正式な売掛金となる)

本来、この常備精算額が請求期日の翌月末に全額入金になるはずですが、翌月末入金含めほぼ3ヶ月かけて分割にて全額入金されてくると考えたほうが宜しいでしょう。(理由は簡単です、取次店として期日精算以降も該当返品がある事を見越し、過払いになることを避けるためと言うことになります)

化粧箱セット
  
 フェア用、POPセット用の拡販形式の荷姿作成の場合、原紙から箱作成までの折数、そして書籍梱入と、書籍セット完了までの所要時間を概算想定の上、料金設定がなされるのが一般的です。自社にて化粧箱セットを1セット完成までにどのぐらい所要時間を要するか、試行して見る事により、料金の妥当性が確認できます。 

 所要時間費用:25円/分前後
 したがって、1セット作成するのに30秒かかった場合、「1セット12円」となります。

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<入出庫関連料(運賃)>
 管理倉庫と、取次店、出版社、書店等との間における書籍の移動には下記のような様々な運賃がかかってきます。これら運賃が、各種作業料の中に含まれているのか、別途請求されるものか、その点も管理倉庫と明確にしておく必要があります。

出庫運賃
  
 管理倉庫から各取次店へ出庫される場合の一冊あたりにかかる運賃です。通常、取次店へ出庫する場合、先の基本管理項目の「出庫料」に運賃が含まれていますが、含まれていない場合、別途出庫運賃として請求される場合があります。したがって、取次店への一冊あたりの出庫総額を算出比較する場合、出庫料と出庫運賃と合わせて精査する必要があります。
 
 (近年相場)
      ・書籍 ⇒ 2.0円~2.5円前後 (冊)
      ・文庫 ⇒ 1.0円~1.5円前後 (冊)
      ・NM  ⇒ 3.0前後 (冊) 

 注) 前述の基本管理項目の「出庫料」に出庫運賃が含まれている管理倉庫が割安感があり、良心的といえるでしょう。
    出庫料が他の管理倉庫に比べて安いと思いつつ、実は、この出庫運賃が含まれていない場合があります、確かめてみましょう。

こんな事にも注意しましょう)
 海外製本した場合、港から各取次店へはコンテナーでは直接搬入はできません。そこで一旦管理倉庫に入れ、そこからあらためて新刊搬入する場合、下記の特別傭車して取次へ入れる事がよくあります。またある事情により、製本所より一旦管理倉庫に入れてから、新刊委託する場合もあります。そのような時、管理倉庫のミスにより、出庫運賃と特別傭車代が重複請求されている場合があります。良心的な管理倉庫は、このような場合において、出庫料にて出来るだけ吸収できるよう企業努力をしているようです。

返品運賃
  
 返品引取の方法として、取次の大小により返品業務を共同運営している取次もあり、①取次が管理倉庫まで搬送して来るのか、②管理倉庫が取次に取りに行っているのか、③取次ぎへの納品時の帰りに返品を受取ってきているのか等様々です。取次店との契約にて、一結束あたりの返品運賃の設定がある場合、請求控除(取次からの計算書や支払通知書を参照)されている場合があり、管理倉庫からの返品引取運賃との関係が現在どうなっているのか明確にしておく必要があります。知らぬ間に、管理倉庫とは別に、取次店からも請求控除されていたと言う事になりかねません、積もり積もると大変な金額になります。大手取次店からの返品荷姿がコンビテナー、オリコンに変わった今日、その点も昔と今の料金体系がどう変わったのか確認しておく必要あるでしょう。

宅配便代
  
 出版社の指示により、管理倉庫から書店直送、その他直売等の為、指定箇所に宅配便にて発送する場合の実費費用として設定されています。その際、別途段ボール代(80円~130円)も請求される場合があります。それぞれの発送代は各管理倉庫と宅配業者との間にて取り決められた宅配便代が適用され、該当月に発生した回数分の宅配料が月末締め単位にてまとめて各出版社に請求(宅配伝票の控えも添付され)されます。各宅配業者からの請求を受けてからの出版社への請求となりますので、月ズレ(翌月)請求となる事があります。
 管理倉庫として、クロネコ、佐川急便が多く利用されているようですが、出版社によっては、宅配業者と直接契約(宅配伝票を管理倉庫に預けておく)し、出版社指定の宅配業者を使用してもらい、その請求も管理倉庫経由では無く、宅配業者からの直接請求としているところもあるようです。
 宅配便代について管理倉庫により、最小単位で一個口につき100円以上の差があるようです。その要因としては、管理倉庫と宅配業者との月間取引高の規模による、その優遇度の現れと思われます。利用頻度の高い出版社は管理倉庫の宅配便料金体系をしっかり把握しておく必要があります。また定期購読誌の発送委託を行っている出版社は、メール代金の管理倉庫間の格差もある事を知っておく必要があります。

 書籍搬送中の事故について、その保証範囲/責任も明確にしておく必要があります。

傭車代
  
 管理倉庫から各取次店への毎日の納品は、他の出版社の書籍と共に取次別混載にて一緒に搬送される事が一般的です。しかしながら、諸事情により取次新刊口や、その他指定箇所に一度に大量に移送する場合、個別のトラック等を用立てる(傭車)必要が生じてきます。その際にかかる費用としてこの傭車代が設定されています。傭車代は、画一的ではなく利用するトラックの大きさ(何トン車)、搬送先までの距離、一日貸切等の要件により其の都度、管理倉庫と打ち合わせを行う必要があります。

定期便代
  
 出版社と管理倉庫との連絡用に使用される定期便用として設定されています。
 定期便の用途としては、取次店との間にて日々発生する納品/返品伝票の授受、及び管理倉庫と出版社との間の書籍移動等に利用されます。管理倉庫と各出版社との間には複数の定期便ルートが設定されており、そのルートの中の最適なルート及び、到着時間が決められ、オプションにより、毎日または曜日指定にて週何便と言った運行がされています。また、各出版社間との共同運行の意味合いもあり、一回の搬送量は、多くて段ボール2個ぐらいまでと暗黙にて決められている事が多いようです。(一箇所の出版社にて大量の積載が発生すると、次に立ち寄る出版社の荷物が積めない事態になりかねないと言う事になります)
 出版社の所在地により、定期便代に多少のバラつきがあり、複数ある現行定期便ルートに沿った(大きな迂回を生じない範囲)場所にある出版社、及び山手線内を基準にしている管理倉庫が多いようです。その他の地域は、多少割高設定されているようです。

 (近年相場)
        1,500円~3,000円/一往復(一日一回) × 利用日数
 

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<諸管理費>
 管理倉庫の管理経費として、入出荷の作業にかかる人件費は勿論の事、情報管理、関連商品管理費と言った、様々な間接経費が発生しており、その主たる費用として次のような諸管理費が設定されております。

インターネット管理費
  
 近年、管理倉庫における、在庫状況閲覧は勿論の事、受注、納品、返品、出荷保留状況の把握、そして直送/直販指示、その他各種指示、各種データのダウンロードが管理倉庫が提供しているインターネットのWEBサイトを通してリアルタイムに行えるようになっています。この管理倉庫が提供しているWEBサイトの利用料がインターネット管理費として設定されています。
 昨今の刷り部数の減少とともに多品種小ロットの書籍管理を要する今日、インターネットによりその管理状況をいつでもどこでも閲覧できる環境を提供しているかどうか、このインターネットによる出版社へのサービス度/充実度も管理倉庫を選択する重要な要素となってきています。
 管理料は管理している商品点数、総在庫数等の規模により料金体系が設定されています。
 
  月額:3,000円(固定)~。

事務管理費
  
 一般管理費、消耗品費(コピー、伝票代、FAX、通信費、電話代等)を設定している管理倉庫もあります。また、商品点数に基準を設け、ある点数(20点以上)に達した時点から、事務管理費を控除すると言った方式を取っている管理倉庫もあります。相場的に1万円~2万円と言ったところです。気を付けなければならない事、それは「弊社では、他の倉庫と比較して事務管理費は請求していません」との提案、実は、基本管理項目のそれぞれが少し高めに設定されていたりする場合があります。

コンピュータ管理費
  
 コンピュータ管理費は、日々の入出荷情報の管理、在庫状況の管理、及び各種情報提供管理の為に使用しているコンピュータの負担費として設定されています。管理対象の点数、在庫数、入出荷状況により費用設定されているようです。
 日々の入出荷データをCSV形式にてメール送信してもらう場合、出版社側のオリジナルインターフェースにどこまで柔軟に合わせてもらえるか、その対応力も倉庫選択の一つと思われます。

 管理費:月額3,000円~数万円。

新・出版ネットワーク管理費(出版VAN管理費)
  
 各出版社が管理倉庫を通して新・出版ネットワークの運用を開始することにより、管理倉庫として出庫作業の軽減化(事務作業の簡素化、出荷書籍への注文短冊挿し等の作業が無くなる等)につながる要素が多く、あえて管理費を設定するより無料対応にすることによる、運用開始を強く促す傾向にあるようです。
 また、出版VANに対応した計画搬入により、書店までの配本日数が従来からの注文短冊によるものと比べ、格段に短縮化されるようになってきました。
 新・出版ネットワークは富士通FIP、出版VAN(全銀手順によるデータ授受が基本)はNTTが運営。(ともに基本的に同じものですが、新・出版ネットワークはインターネットによるWeb-EDIに対応等の違いがあります)。

付き物管理費
  
 近年、書籍管理と同様に、付随するカバー、帯、スリップの在庫状況をコンピュータにて単品管理するようになってまいりました。従来のような問合せの度に現在庫を数え、あらためて出版社へ連絡していた時代から、出版社が付き物管理状況をいつでも自由に閲覧できるような環境を提供する時代へと変わってきました。新刊の刷り部数が減少してきている今日、返品を改装し再出荷すると言う繰り返しが多くなってきている事から、付き物在庫を常に把握しておく事の重要性が高まってきています。また、曖昧な管理から、付き物の無駄な再印刷を回避する為にも、付き物管理の徹底が要求されてきています。そのニーズに答えるため、付き物についても書籍と同様な管理を行うようになってまいりました。その管理費として設定されています。
 但し、管理精度については、付き物と言う性格上、消耗品的な要素が高く、精度は50枚程度の丸め精度のようです。この付き物情報は、書籍改装とリンクしており、例として100冊改装した場合、カバー、帯、スリップがそれぞれその枚数分、コンピュータ管理数値から減数更新されていきます。また、改装の際に、試し改装、付き物のやぶれ、汚損等が生じ、その枚数が丸め誤差の要因となります。
 管理費は、書籍と異なり出版社の全ての付き物がどれだけのスペース(坪)を要しているかにより、坪単価にてその料金設定がされているようです。 

   管理費:3,000円/坪~3,500円/坪と言ったところです。

拡販部材管理費
  
 出版社からの「社名入り段ボール」、「各種POP」、「拡販用化粧部材」、「フェア用展示材」等の特別な保管依頼に答える形にて、”拡販部材管理費” のような費用を設定しています。管理費は付き物同様、保管のためにどれだけのスペースを専有しているかに依存する設定となっています。坪単価設定が一般的で、3,000円/坪~3,500円/坪と言ったところです。